募集終了
アウトドアでの新しい撮影体験を実現する、OLYMPUS AIRアクセサリー
オリンパス OPC HACK & MAKE Project
ユーザー検証レポート (陣馬山縦走/新木場公園)
陣馬山縦走/新木場公園でのユーザー検証レポートとなります。残りの改善に向けてご参考にしてください!
陣馬山での検証結果
陣馬山では、ホルダー系/カバー系のアクセサリーをメインに検証を行いました。同行させていただいたYAMAPユーザーのまきさんは、ノーファインダー撮影はあまりせず、スマホと接続して撮影されることが多かったです。
最近職場の方から一眼レフを借りて写真を勉強しているまきさんは、「現在使用している一眼レフカメラは重く腕が疲れる」ことがありコンパクトなAirへの期待は高いものの、「ミラーレスなどと比較した時の優位性が少し弱い」とのことでした。
「スマホと接続しないのであればAirの良さがあまり感じられない(さっと取り出して撮影するのはスマホカメラで十分)」「汚れなどが気になるのでカバーは欲しい」「三脚はすでに持っているものを使用する」などといったフィードバックがございました。
また「さっと取り出せるホルダーは非常に便利。以前は袋状のものに入れていたので、毎回ジップを開けて取り出せなければならず面倒だった」「既製品との組み合わせの場合、あまり手に入りにくい既製品だとハードルが高そう」などといった声もございました。
新木場公園での検証結果
新木場公園ではBBQをしながら、静的なアウトドア環境でアクセサリーを検証しました。テーブルの上にアクセサリーを並べ自由に手に取っていただきながら、各アクセサリーを使用いただきました。当日はBBQ上級インストラクターのかたにもお越しいただき、美味しいお肉を食べながらの検証となりました。BBQではお肉の写真や景色、参加者の写真など撮影の機会が多く皆さんAirを活用して写真を撮影しておりました。
オリンパス OPC HACK & MAKE Project
オリンパス OPC HACK & MAKE Projectは、オリンパスの技術をオープンにして、 デベロッパー、クリエイター、ユーザーと共に新しい写真体験を開拓していくオープンプラットフォームカメラのプロジェクトです。
ユーザー検証レポート (渋谷 代々木公園/金沢 白兀山)
代々木公園/金沢でのユーザー検証レポートとなります。残りの改善に向けてご参考にしてください!代々木公園でピクニック形式、金沢では雪の残る白兀山に登山形式で検証をしました。
代々木公園での検証結果
代々木公園ではピクニック形式で、静的なアウトドア環境でアクセサリーを検証しました。山登りではそこまで使用頻度が高くなかった透明なカメラケース、カメラハンガー、お散歩ホルダー、スライダー、treefrogなどを使用されている方が多かったです。
透明なカメラケースでは上から花びらを落として撮影したり、カメラハンガーでは木の枝に吊るしてみたり、紐やベルトを活用してスライダー撮影を行ったり、参加頂いた皆さんには今までにない撮影を楽しんで頂けたと感じます。
参加者の方からも「みんなで集まって写真を撮るのが楽しくなるアクセサリーがよかった」「単なる記念撮影ではない新しい体験が出来た」という評価を頂くなど、 ピクニックやキャンプのようなシチュエーションでは、みんなでワイワイガヤガヤ楽しみながら撮影できるアクセサリーが人気でした。Air/アクセサリーを通して初対面の参加者が交流することもあり、コミュニケーションのツールとしても活躍していました。
全てのコンセプトに対してコスト面では「自分用には高すぎる」「他のモノを買ってしまうかもしれない」とやや厳しい評価でしたが、Airユーザーがピクニックやキャンプなど向けにアクセサリーを購入する、という切り口であれば可能性はありそうです。
金沢白兀山での検証結果
代々木公園とは対照的に、金沢では雪の残るでは白兀山でユーザー検証を行いました。当日は小雨の振る中、スノーシューをつけての検証となりました。同行させていただいたのは山岳ガイド/カメラマンとして活躍される西村さん。
小雨/雪山ということもあり、装備を少なくし、カメラが濡れないよう気をつける必要がありました。カバーを装着する際、透明カメラーケース、GEM COVERはサイズが大きくポケットに入らず、持ち運びが不便でした。同行した西村さんも「現状のAirそのままだと濡れてしまう恐れがあるので、カバンにしまいながら使う」とのことでした。
「完全防水の機能は必要ないが、最低限の防滴はないと持っていくことができない」「Airの良いところはコンパクトでポケットにも入る点で、角ばった形状だと少し取り出しにくい」「水平/画角が取れるアクセサリーには関心がある。ノーファインダーで撮影した際にきちんと取れているか不安」「ウェットスーツなどに使われるクロロプレンゴムで薄いカバーがあったら嬉しい。衝撃や防滴を補ってくれるので」とのことでした.
普段はプロユースのカメラホルダーを右肩前部分に装着しており、「揺れたりせずしっかりとホールドされていることが大事。既製品もかなりあるのでAirならではの特徴がないと厳しい」との意見もいただきました。実際に各種ホルダー系も使用しましたが、やはり肩前部分に取り付けるのが一番作業性がよかったです。今回は雪山という少し本格的な環境でしたが、アウトドア環境では小雨などはつきものなので、アクセサリーでうまく機能を保管することが出来れば用途も広がると感じました。
オリンパス OPC HACK & MAKE Project
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ユーザー検証レポート (奈良/広島/福岡)
奈良/広島/福岡でのユーザー検証レポートとなります。残り2週間半の改善に向けてご参考にしてください!YAMAPユーザーの方と奈良/広島/福岡で実際に登山をしながら、アクセサリーの検証を行いました。登山では、なるべく荷物を軽くしたい、綺麗な景色を高画質で撮影したい、という相反するニーズがあり、OlympusAirの軽やかさと高画質はYAMAPユーザーの方から高く評価されておりました! ご協力いただいたgapsさん、ミルさん、サブロウさんありがとうございました!
YAMAP Meister
gaps
活動エリア:近畿地方
最近登った山:大普賢岳
奈良県在住のため大峰山系を中心に夏は山小屋泊、冬はスノーシューを楽しむ。また福井から京都につながる鯖街道をトレイルランニングで走ったこともある。今後は子供の成長に合わせて、キャンプやBBQなど家族全員で楽しめるアクティビティもしていきたい。
3つのポイント
1. 携帯性を向上するアクセサリーのニーズは高い
2. 必要最低限の機能を満たすカバーは必要
3. 三脚系は星空撮影などで使用することがあるも、既製品との差別化が課題
1. 携帯性を向上するアクセサリーのニーズは高い
登山中の撮影時にサッと取り出せて撮影することができるアクセサリーは非常に高い評価でした。今回一緒に検証したユーザー全てが主にノーファインダーでの撮影を行なっておりました。接続に時間がかかることやスマホの電池が消耗してしまうことなどが理由です。また慣れてくるとノーファインダーでも撮影が出来ることや自然な仕草や思わぬ写真が撮れることも理由としてあげられました。
広島のYAMAPユーザーのミルさんの「団体登山の場合にはペースを乱さないようにしなければならない」といった意見や福岡のサブロウさんの「普段はポシェットにカメラを入れているが取り出すのがめんどくさい」といった意見もございました。美しい景色に出会った時にサッと取り出してノーファインダーでパシャりと撮れるところにAirの良さがあります。
福岡のサブロウさんは、「いままでは荷物を軽くすべく止むを得ずスマホなどを使うことも多かった」とのことですが、「Airは軽く嵩張らないのでいつでも携帯していけるのが魅力」とのことでした。実際にサッと取り出せるアクセサリー達を使用して頂いたところ、非常に高い評価をもらいました。
一方登山途中に岩場がある場合手をつくこともあるのでAirがぶつからないか心配することがありました。また傾斜がある場合、アクセサリーが外れAirが落下しないかどうかを気にするシーンも多くありました。残りの改善フェーズでは、細部の使いやすさを向上する必要があります。
2. 必要最低限の機能を満たすカバーは必要
アウトドアでは水滴や汚れなどが気になるためカバーを装着したいものの、カバーの大きさは必要最小限である必要があります。YAMAPユーザーの方はスマホをジップロックに入れられたりして工夫されており、Airにも同様に防滴性/汚れなどを気にされていました。
一方複数のカバー系の試作品を使用してもらったところ、「大きすぎて持ちにくい」「三脚穴やシャッターボタンが塞がれてしまう」「ポケットに入らなくなってしまう」などといったフィードバックがございました。「土砂降りなどの時は撮影をすることはないので完璧な防滴は必要ないので、もう少し薄く扱いやすいものがほしい」とのことでした。
カバー自体にはあまり多くの機能を求めず、「三脚が必要な場合は三脚を使用する」「水中などの写真はAirではなく防水カメラを使用する」などといった声もあり、「ゴム素材の薄いカバーがあれば間違いなくほしい」とのことで、カバーにはAirの良さを生かしたままのデザインにニーズがありました。
残り2週間の改善フェーズでは、どの機能に絞り込みかを議論しながら、コンパクトなカバーを検討していきたく思います。
3. 三脚系は星空撮影などで使用することがあるも、既製品との差別化が課題
カメラ好きのアウトドアユーザーの方は既製品の三脚をすでに保有されており、Air専用の三脚を購入するには既製品との差別化がないと厳しいです。Wemake上でも議論しているように、ゴリラポッドやマンフロットのミニ三脚を使用されている方が多いようです。
またミルさんの「基本的にAirは手で色々と構図を変えながら写真撮影を楽しむスタイル」との声やgapsさんの「デザインはいいなーと思うが、(Air専用の三脚を)実際に購入するかと言われると難しい」との声もありました。
一方サブロウさんは「星空撮影やソロキャンプの時などに三脚を持っていくことも多い」とのことでした。しかし「ローアングルというよりもハイアングルの構図が楽しい。ローアングルは液晶が上を向くミラーレスで撮ることが多い」とのことでした。
今後の改善フェーズでは既製品との差別化の部分を掘り下げていき、各アクセサリーならではの訴求ポイントを明確化する必要があります。
アングルフリーでの撮影体験を訴求するアクセサリーは移動が多い登山ではあまり使用するシーンがなかったです。逆にキャンプや釣りといったシーンでは利用用途が多くあると予想されますので、3/5のユーザー検証にて重点的に検証を行いたいと思います。 引き続きよろしくお願いします。
オリンパス OPC HACK & MAKE Project
オリンパス OPC HACK & MAKE Projectは、オリンパスの技術をオープンにして、 デベロッパー、クリエイター、ユーザーと共に新しい写真体験を開拓していくオープンプラットフォームカメラのプロジェクトです。
投票結果発表
様々な視点からのコンセプトをご投稿頂きありがとうございました。皆さんにご投票いただいた集計が完了いたしました!
皆さんから頂きました投票をもとに、15点のコンセプトを改善フェーズへと進める事としました。当初5-10点の通過を予定しておりましたが、可能性を秘めたコンセプトが多数あり、なるべく試作品にて検証したく考え、改善フェーズへの通過を15点としました。
通過したコンセプトは以下となります。
試作検証 スケジュール
これから一ヶ月間、アウトドアユーザー/投稿者の方と共に、コンセプトをブラッシュアップしていきます。YAMAPマイスターの方によるアウトドアでの検証、Wemake主催のユーザー検証会にて課題を明確化します。抽出された課題に対して、Wemake上で改善案を検討し、再度試作品を出力します。
YAMAPマイスター ユーザー検証
2月下旬
アウトドアユーザーであるYAMAPマイスターに実際に試作を使用していただき、"新しい撮影体験を実現できる"かどうかを検証します。また、使用時のフィードバックからコンセプトの改善を行います。
コンセプトの改善/試作
3月上旬
YAMAPマイスターのフィードバックをもとに、コンセプトの改善を行います。改善された後のstl形式のデータにて再度3Dプリンタにて出力を行います。
ユーザー検証会
3月5日、20日
Wemake主催の検証会にて"新しい撮影体験を実現できる"かどうかを検証します。また、使用時のフィードバックからコンセプトの改善を行います。
審査結果発表
2015/4/15(金)
ユーザー検証結果をもとに改善したコンセプトの最終審査を行います。最優秀作品は製品化、優秀作品は商品化検討となります。
試作検証のポイント
以下を参考に残り一ヶ月の試作検証フェーズを頑張りましょう!
ターゲットユーザーは誰か
1) スマホは持ち運びやすいけど少し物足りない人、2)一眼レフは画質がいいけど持ち運びが大変な人、3) 既存のカメラの構図に飽きてきた人
機能性を向上しているか
アウトドアにおける機能性を向上しているかどうか。携帯性/防滴性/耐衝撃性/バッテリー/ノーファインダー撮影/レンズ交換など
新しい楽しみ方を提案できているか
高画質の写真が撮れる。自分でカスタマイズして楽しめる。今までにはないアングルで撮影ができる。
コスト:購買したいと思うコストになっているかどうか
3Dプリンタで生産/販売した場合のコストが現実的な購買価格になるかどうか。
オリンパス OPC HACK & MAKE Project
オリンパス OPC HACK & MAKE Projectは、オリンパスの技術をオープンにして、 デベロッパー、クリエイター、ユーザーと共に新しい写真体験を開拓していくオープンプラットフォームカメラのプロジェクトです。
OLYMPUS AIR レポート by 西村崚太郎 (山岳カメラマン)
山岳ガイド/山岳カメラマンとして活躍される西村崚太郎さんに雪山登山にてOLYMPUS AIRを使用していただきました。 OLYMPUS AIRの課題と可能性についての充実したレポートとなっておりますので、ぜひご覧ください!!
西村崚太郎:1991年生まれ。2012年、通っていた大学を中退しカナダの登山学校へ入学、同年卒業後にフリーランスの山岳ガイドとして活動をスタートさせる。プライベートでも中央アジアの7000m峰から北米ミックスルートのクライミング、そして北海道のディープパウダースキーまで、オールラウンドに山岳活動を継続中。近年はカメラを携えて山に入るようになり、山と、そこに遊ぶ人々の姿を切り取り続けている。
1.Setup
今回は、お借りしたOlympus Airのボディ1台および14-42mm f3.5-5.6 EZレンズを冬季の八ヶ岳山域へ持ち込み、シビアな環境下におけるアルパインクライミングを含む本格的なアウトドアアクティビティの撮影における実用性を検討した。
出発前の事前のWi-Fi、Bluetoothセットアップにおいて、その起動および接続には非常に時間を要するという点、そして冬季山岳において撮影の度に素手を晒して両手で操作をしなければならないという点が非現実的なことから、撮影は原則としてスタンドアローンモードを使用することとした。各種接続をOFFにすることでバッテリーの持ちも改善されるものと考えた。
フレーミングや合焦点を確認できないままにシャッターをきることになるため、事前の設定で絞り優先モードのf8、ISO400、雪景色を前提としてEV+0.6に設定することも考えたが、これは明らかに“プロの仕事”であり、Olympus Airがメインターゲットとするであろうメジャー層の使い方と乖離してしまうと感じ、結局フルオートでの撮影を決定した。
撮影データはポストプロセスの作業も視野に入れてRAW + JPGに設定、データ容量も大きくなることが予測されたために貸与された8GBのmicroSDカードを手持ちのSanDisk製UHS-I対応の32GB microSDカードに入れ替えて使用した。
本機のバッテリーは交換できないため、極低温環境下で内蔵バッテリーの出力が著しく低下することも予測され、予備電源としてAnker製10400mAhのモバイルバッテリーも持参した。
撮影と機材の運搬を快適かつスピーディに行うため、西村が個人的に普段から愛用するPeak Design社Capture PROプレートを三脚穴に装着、バックパックのショルダーストラップにワンタッチで着脱できる形をとった。
本機に防塵、防滴性は備わっていないため、悪天の場合に備えmont-bellのプロテクションアクアペル2L防水スタッフサックに他のカメラ機材と共に収納することとした。
2. Works
12/24 19:26 - 14mm - f3.5 - 1/60sec - ISO6400
入山初日の夜に、テント内で今回の登山の相方を撮影した1枚。ワイド端14mm (換算28mm) にて。 根本的にファインダーを覗くことを諦めていると、躊躇なく手を伸ばしてテントの壁際にカメラを構えシャッターをきることができる。しかし、その反面、画角のイメージがつかみにくくなるため、必然的に被写体を中央に据えた日の丸タイプの構図になりやすく、こういった形での撮影はあくまでスナップとして割り切るか、偶発的に生まれる面白さに頼らざるを得ない。 レンズや4/3サイズセンサーの描写性能に関してはここで触れるべきではないので割愛するが、ISO6400は流石にノイジーであったためポストプロセス作業でCapture One Pro 9を使用しフィルム調グレインを加えたモノクロームとした。もし可能であるならば、ソフトウェアでISO Auto時の上限を設定できると暗所でのイメージクオリティの向上に寄与するだろう。フルオートでのセッティングに文句をつけても仕方ないが、換算28mmであればISO3200、1/30secとした方が良い結果が得られるはずだ。 レンズを装着した状態であっても、全体がカメラ然とした形状でないために被写体に撮影を意識させることなく不意の自然な表情を撮影できる点は魅力的であるといえる。
12/25 10:55 - 14mm - f3.5 - 1/1250sec - ISO200
明けて翌朝、八ヶ岳の主峰である赤岳 (2,899m) のクライミングルートを先行して登る相方を撮影。 この日は予想に反して朝から霧が深く、また強風が飛雪を吹きつけるというカメラにとってはなかなか厳しい気象条件となったが、折しもの暖冬で気温だけは-5℃前後と異常に暖かく、バッテリーの心配をすることなくハイペースで撮影を続けることができた。 ロープを使用したテクニカルな登山においては、基本的に相方が行動している間は必ず片手でロープを握り万一の際の墜落に備えていなければならないが、ポケット (今回の場合はCapture PRO) からカメラを取り出し、撮影し、また収納するという一連の動作を全て片手で行えるサイズ感のOlympus Airならではのシーンを捉えることができた。 ただし、今回はRAW+JPGの記録形式をとった点も考慮すべきとはいえ、複数枚を連続して撮影した後すぐにカメラを収納しようとしても、バッファからカードへの書き込みが完了するまで電源を切ることができず、場合によっては5秒ほど待たされてしまうことが多々あり、今回のようなコンディション下では非常にストレスを感じた。この5秒はクライミングの安全性に直結する5秒であるため解消できるものであれば解消されるのがベストだ。
12/25 12:53 - 14mm - f11 - 1/640sec - ISO200
かわって西村が先行して登り、後続する相方を撮影。 これも、片手でロープを操作しながらのワンハンドでのカメラオペレーションである。ワイド端にて、相方の鮮やかなウェアの色と、背景の霧の中へ落ち込む急峻な岩と雪の斜面との対比を意図した構図となっている。 ファインダーで構図を確認しないままに撮るということは、レンズの焦点距離を理解し画角をイメージしながら撮るということに等しいが、これは相当に慣れた撮影者でないと難しい。幸いにして今回使用したレンズのワイド端14mm (換算28mm) というのは西村が個人的に最も好み、そして得意とする画角であったために、難なく被写体を対角線上の隅に配置したフレーミングも行うことができたが、これを万人に求めることはできないだろう。西村ですら、同じ28mm相当とはいえ普段から使用するSONY機の3:2アスペクト比に慣れていたため4/3フォーマットでは両サイドが意図した以上に切れてしまっていることも少なくなかった。 何らかの“物理的な”外付け照準器といったところのアクセサリーがあればこの問題は解決し得るだろう。SONYのQX機においては、同梱されるキットレンズが24mmスタートでありセルフィーを撮影する際にも画角に余裕がある点は特筆すべきである。
12/25 14:04 - 14mm - f3.5 - 1/4000sec - ISO200
頂上稜線へと抜け、登ってきたルートを振り返る。 この1枚に関しても同様に、常にフレーミングに関する画角認識の問題がつきまとう。それと同時に、風景を大きく写しこむような撮り方をした場合には、水平をとることも一つの課題として発生し得る。Olympus Airは本体に直線部分を持たない完全な円筒形のデバイスであるがために、カメラ本体が水平をとれているのか否かという点が非常に認識しづらかった。見上げたり、見下したりしてダイナミックな構図を意図する場合には大きな問題にはならないが、風景を含めたフレームが実景から大きく傾いていると大きな違和感のある写真になってしまう。 今回は下部の三脚穴にCapture PRO用のプレートを装着していたために、そのプレート下辺を利用して水平をとることができたが、これがなければ極めて困難であったと推測される。特に急峻な斜面に立ち周囲の視界も限られる中では、根本的に水平感覚というのは失われがちなものである。 これも上記の照準器と同様に、何か外付けで物理的なアクセサリーがあると尚良いであろう。
12/25 15:07 - 42mm - f5.6 - 1/1000sec - ISO200
森林限界の下まで下山し、風景写真を。換算84mmと望遠域に入ると、途端にフレーミングの難易度は上がる。そして手ブレ補正の機能を有しないOlympus Airでの撮影では非常に気をつかう部分でもある。 望遠域での風景写真に関しては、じっくりと腰を据えて撮影することができるという部分もあり、別途個人的な機材として持ち込んでいたSONY機と望遠レンズを同様の換算焦点距離に設定し、画角を確認しながらの撮影を行った。実際に画角の確認をせずにこれだけの山岳風景を切り取れたかというと、答はNOだろう。望遠域で複雑な山岳地形を切り取ることに関しては、スマートフォンとの連携が必須ということになるだろう。 山肌の荒々しさ、険しさに注意を惹くためにポストプロセスでモノクロ化、感色性を変化させて空の青と白い雪に高いコントラストを持たせた。なお、Olympus Airで撮影したRAWファイルは個人的に使用しているCapture One Pro 9ソフトウェアで読み込めなかった為に、全てJPGベースでのレタッチ作業を実施している。そのため通常のRAW現像を行った場合よりも作業のクオリティはかなり低い。
12/25 15:33 - 42mm - f5.6 - 1/1000sec - ISO200
1日の終わりに、テントへ帰る途中の展望スポットから迫力の1枚。午後の遅い時間には雲も切れ綺麗な青空が広がっていた。 今回に関しては例年になく気温が高くバッテリーに気をつかうことなく丸1日を過ごすことができたが、やはり通常であれば冬季の丸1日中の使用は難しいという印象を受けた。今回のような相当マイルドな気候でも毎晩テントでの再充電は必須であったし、また現実的な問題として、行動中のフィールドでの再充電は不可能と考えるべきだろう。拡張バッテリーパックのようなものがあると、より積極的に撮影していくことができるはずだ。
3. Suggestion
以下、本格的なアウトドアアクティビティに関わっており、ある程度の撮影技能を習得した人間という立場を前提にOlympus Air A01に関する幾つかの改善点および提言をまとめる。
A)本体の電源ボタン、およびシャッタースイッチに関して、両者共にストロークが浅く指先へのフィードバックが少ないためにグローブをした状態の手では非常に扱いにくい。特に電源ボタンはサイズも小さく操作が非常に困難であった。
B)モバイルアプリケーションとの接続、連携は非常に遅く、実用的でない。必然的に、撮影はスタンドアローンで行うことになるため、誰でも画角を把握することができる照準器のようなアクセサリーが求められる。これはズームレンズにおいては、ワイド端に対応するのみで十分である。例えば高さ5mmの樹脂製の“板”を2枚、衝立のような形で画角に合わせて本体上部に立てて設置し外側と内側の色を塗り分けるだけで、目的は十分に達せられる。センシティブで、嵩張り、撮影ポジションに制約のうまれる光学式のファインダーである必要はない。
C)バッテリーが内蔵式であり交換できない以上、特に寒冷地におけるバッテリー持ちの問題は重要な課題である。幸いにして充電用のmicroUSB端子はデバイスの後ろサイドに存在するため、ここに差し込む形で固定できる拡張バッテリーパックのようなアクセサリーがあれば非常に有用である。
D)カメラやレンズに防塵、防滴性が期待できない以上、フィールドで扱う上では何らかの防水機能を有するカバーを使用したい。例えば2mm厚ネオプレン等の素材を使えば、防水性、耐衝撃性による機材の保護と同時に多少の保温性も確保できるため、前述のバッテリー出力低下の問題にも対処し得る。
以上4点は、特に強調したい。
総じてOlympus Air A01は未だ粗削りでカメラとしての動作には改善点も多く残るものの、その可搬性からGoPro等のアクションカメラと同等の取り回しの良さ、そしてCSCカメラの4/3サイズセンサーを生かした高画質を両立させ得る新しい選択肢として大いに将来性のあるシステムであると実感することのできたテストとなった。
使い勝手の向上に繋がる今後の周辺機器、アクセサリーおよびソフトウェア開発に期待したい。
オリンパス OPC HACK & MAKE Project
オリンパス OPC HACK & MAKE Projectは、オリンパスの技術をオープンにして、 デベロッパー、クリエイター、ユーザーと共に新しい写真体験を開拓していくオープンプラットフォームカメラのプロジェクトです。
日本最大級のアウトドアコミュニティ YAMAP
今回のプロジェクトでは日本最大級のアウトドアユーザーを抱えるYAMAPユーザーの方々と一緒に、ユーザー視点での製品開発を行います。
YAMAPは、携帯の電波が繋がらない山の中でも、スマートフォンにて現在位置が確認できるほか、活動日記を簡単に保存・共有することが可能。2014年度グッドデザイン賞特別賞「ものづくりデザイン賞」受賞。2015年春、スタートアップ界の登竜門的イベント「B DASH CAMP」のピッチアリーナで最優秀賞を受賞。
YAMAP:https://yamap.co.jp
YAMAPマイスターとは
YAMAPマイスターとは、YAMAPコミュニティ内にて「参考になった」数が多いユーザーであり、アウトドアにおける潜在的なニーズを知るユーザーでもあります。 今回はYAMAPマイスターの方々のユーザー視点での気づきなどを製品開発に反映し、ユーザーが欲しいと思うプロダクトを作ります。今回は10名の方に参加いただいております。
YAMAP Meister
サブロウ
活動エリア:九州地方
最近登った山:久住山(九重)
軽量化した荷物でのスピードハイクや焼肉用の鉄板を担いだ反UL登山を行う。
YAMAPで活動記録を残すうちに写真にも興味を持つ。
「長距離を歩くスピードハイク時は荷物は軽量化したいが、きれいな写真も撮りたい!」というジレンマをOlympusAirで解決できるかも?
YAMAP Meister
kiyo
活動エリア:関東地方
最近登った山:雲取山
九州から東京に単身赴任7年目。晴れた日に大好きな山に出かけます。目標は登ったことのない山をたくさん登頂すること。好きなことは頂上からの眺めと下山後の温泉とビール。
YAMAP Meister
ソーヤ
活動エリア:四国地方
最近登った山:笹ヶ峰
昨年の5月より山登りを始めた。カメラは記録用として持っていた程度だが、登る度に目の前に広がる景色や出会う人の笑顔を撮るうちに写真にものめり込んでいく。山で出会う感動を記憶にも記録にも大切に残したいと思っています。
YAMAP Meister
gaps
活動エリア:近畿地方
最近登った山:大普賢岳
奈良県在住のため大峰山系を中心に夏は山小屋泊、冬はスノーシューを楽しむ。また福井から京都につながる鯖街道をトレイルランニングで走ったこともある。今後は子供の成長に合わせて、キャンプやBBQなど家族全員で楽しめるアクティビティもしていきたい。
YAMAPマイスターのベストショット
YAMAPマイスターの方々の2015年アウトドアでのベストショットをご堪能ください!
オリンパス OPC HACK & MAKE Project
オリンパス OPC HACK & MAKE Projectは、オリンパスの技術をオープンにして、 デベロッパー、クリエイター、ユーザーと共に新しい写真体験を開拓していくオープンプラットフォームカメラのプロジェクトです。
アウトドアでOLYMPUS AIR A01初体験!
小型ボディで一眼クオリティを実現するOLYMPUS AIR A01は、アウトドアシーンでの新しい撮影体験を実現できる可能性を秘めております。本プロジェクトでは、 OLYMPUS AIR A01のアウトドアでの可能性を開花させることを目指します。
早速アウトドアでの利用ニーズを探るべく、Wemakeスタッフとアウトドアユーザーの方と丹沢の鐘が岳に登りました。小雨の降る中参加してくれたアウトドアユーザーと一緒にOLYMPUS AIR A01を実際に使用してみた感想をレポートします。
今まで見たことのないカメラに興味津々のメンバー
使用してみた感想
アウトドアで実際にOLYMPUS AIR A01を使ってみて感じたメリットをまとめました。
軽量であること
円筒型の小型ボディのため非常に軽量で、少しでも荷物を小さくしたいアウトドアにおいては助かります。参加者からは、コンパクトで片手に収まるので便利、通常の一眼に比べると軽量なので持っていけるレンズが増えそうといった声がありました。
一方、こんなところにアウトドアでの課題を感じました。
防滴性がないこと
OLYMPUS AIR A01自体は防滴性がないため、小雨や夜露などへの対策が必要でした。当日は小雨が降っていた事もあり、参加者の方は適時ポケットやカバンの中にしまいながら撮影を行っていました。
その他にもバッテリーが途中で切れてしまいUSB充電器にて充電している参加者もいました。
初めて触るOLYMPUS AIR A01に熱中しいつの間にか小雨も忘れるくらい楽しい登山となりました。
今後はYAMAPのアウトドアユーザーの方々にもOLYMPUS AIR A01を使用いただく予定です。このストーリーページでその様子もアップしていきますのでご期待ください!
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